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チェシャ猫の消滅定理

数学にプログラミング、素敵なもの何もかも。

すごい JVM 言語 Frege をたのしく学ぼう!

言わずと知れた Haskell の定番教科書『すごい Haskell たのしく学ぼう!』に登場するサンプルコードを、プログラミング言語 Frege に翻訳してみました。

github.com

Frege について

Frege は、JVM 上で動く純粋関数型プログラミング言語です。

github.com

最近、JVMLisp である Clojure の存在感を増してきている気がしますが、Frege はいわばその Haskell 版ですね。

文法的には Haskell + Javaメソッドを呼び出すための追加構文、といった感じ。細かな違いはありますが、Haskell が読める人間であれば理解に苦労することはないでしょう。実際『すごい Haskell』に登場するコードは、大部分が変更なく Frege に「丸写し」することが可能でした。

逆に、Java 方面から入って初めて関数型に挑戦したい人にとってはかなり敷居が高く感じられるはずです。動機として悪くはないと思いますが、良くも悪くも、先に(あるいは同時進行的に)Haskell のさわりを学んでおく必要があるでしょう。

Frege を試すには

Online REPL で実行

環境構築の手間さえ惜しむ怠惰なあなたのために、Web 上で Frege を実行できるデモサイトが用意されています。

右ペインにソースコード、左ペインが REPL で、compile ボタンを押すと REPL にモジュールがロードされた状態になります。GHCi と同じノリで使えるのでいろいろ試してみましょう。

コンパイルして実行

前提として JDK 7 もしくは JDK 8 が必要です。JDK 9 は問題が確認されている ので避けましょう。

まず Frege のリリースページ から jar ファイルで提供されているコンパイラをダウンロードします。 この記事を書いている時点での最新バージョンは 3.23.422 です。

$ wget -O fregec.jar https://github.com/Frege/frege/releases/download/3.23.288/frege3.23.422-ga05a487.jar
$ chmod +x fregec.jar

次に、Frege が生成するファイルの書き出し先ディレクトリを準備しておきます。

$ mkdir build

そしてビルドする サンプルコード をダウンロードします。

$ wget https://raw.githubusercontent.com/Frege/frege/release22/examples/SimpleIO.fr

ここまでで、ディレクトリ構造はこんな感じ。

$ tree
.
+--- SimpleIO.fr
+--- build
`--- fregec.jar

以下のコマンドでコンパイルできます。

$ java -Xss1m -jar fregec.jar -d build SimpleIO.fr
$ tree
.
+--- SimpleIO.fr
+--- build
|    `--- examples
|         +--- SimpleIO$1$1.class
|         +--- SimpleIO$1.class
|         +--- SimpleIO$1Fprompt_28850$1.class
|         +--- SimpleIO$1Fprompt_28850.class
|         +--- SimpleIO$2$1.class
|         +--- SimpleIO$2.class
|         +--- SimpleIO$IJ$$mainƒ52393afc.class
|         +--- SimpleIO$IJ$eofƒ5207be3f.class
|         +--- SimpleIO$IJ.class
|         +--- SimpleIO.class
|         `--- SimpleIO.java
`--- fregec.jar

コンパイルされた .class ファイルは以下のコマンドで実行できます。ちなみに SimpleIO の中身は、標準入力から数字を受け取って偶数か奇数かを判定するというものです。

$ java -Xss1m -cp build:fregec.jar examples.SimpleIO

もう少し知りたい人のために

現状、入手できる Frege の情報は残念ながらそれほど多くありません。とりあえず 公式 Wiki を読みましょう。またほぼ全ての関連情報は README 内のリンク集にまとまっています。

文法要素などでわからないところがあるときは、GitHub の Frege リポジトリ内を検索するとヒントが見つかるかもしれません。また、幸か不幸か Frege のコミュニティはとても小さいので、Twitter で #frege タグをつけて英語でツイートすると意外と中の人がアドバイスをくれたりします。

まとめ

今回は、HaskellJVM 言語である Frege について紹介しました。良くも悪くも Haskell に対する理解が必要ではありますが、そこさえ乗り越えてしまえばほぼ Haskell を書きながら Java エコシステムの肩に乗れるという意味でなかなか面白い言語です。

なおこの記事では触れませんでしたが、JVM 言語の例に漏れず Frege から Javaメソッドを呼び出すことが可能で、しかもその方法はかなり巧妙に設計されています。具体的には副作用を持つメソッドST モナドにマップするのですが、それはまた別の話。